「僕のゴルフはドライバーショットが基盤になっている。
ドライバーショットがよければ、僕の世界はすべてよくなる」
「昨年はこれまでの僕の人生で最高のシーズンだったけど、それがもたらされたのは、スイングがよくなっただけじゃない。心技体のすべてが向上した結果なんだ。まずは体。厳しいフィットネスによって肉体改造ができあがった。僕はそれまで激しくスイングすると左サイドが惜し潰れてしまう欠点があった。なので、下半身をしっかりと鍛える必要があったんだ。厳しいフィットネスを行った結果、下半身がしっかりと僕のスイングを支えてくれるようになった。軸がぶれず、フィニッシュをピタッと決められるようになったんだ。」
「僕はテークバックで手をロールしてインサイドに引く癖があるんだ。こうすると理想のスイングプレーンからズレてしまうため、ダウンスイングの軌道をテークバックの軌道と違うものにしなければならず、スイングの安定性に欠けてしまう。これが一昨年の悪いときのスイングだった。そこでアドレスから60cmを真っ直ぐ引くようにしている。具体的には左肩で回転をスタート、両肩とグリップでできる三角形を崩さずに、グリップが飛球線と平行になるように引く。左つま先から右つま先までを真っ直ぐに引くわけなんだ。感覚としては左手でグリップを真横に押すイメージ」
「グリップが右腰の横に来たとき、そう、シャフトが地面と平行になったとき、左手の甲が正面を向き、フェースも正面を向く。クラブヘッドはグリップの位置と同じ飛球線と平行のライン上に来ている。つまり、飛球線後方から見たときに、グリップとクラブヘッドが重なるわけなんだ。このとき、クラブヘッドが手よりも前、つまりアウトサイドに上がってもいけないし、手よりも後ろのインサイドに上がってもいけない。ここまでがとても重要で、ここまでがきちんとできれば、あとはそのまま腕を上げてバックスイングしていけばいいだけ」
「飛ばしたいと思うと、しばしばオーバースイングになってしまう。オーバースイングになると、切り返しのタイミングがずれてミスショットになりやすい。なので、そうならないように、あごの下に左肩が入った時点でバックスイングを終了。正面から見てドライバーのシャフトが地面と平行になるところがトップというわけだ」
「良いトップを作ったら、あとはボールを打つだけ。注意することはできず、ぴたりとフィニッシュを決めるだけだ」
「インパクトからフォローでは右腕をしっかりと伸ばす。そうして大きなフォローを作ります」
「スムーズに行うこと。普通は『スロー』と言うのだろうが、僕は敢えて『スムーズ』と呼んでいる。スイングを『1,2,3』とカウントするなら、『1』でテークバック、『2』でトップとなり、『3』がヒッティングエリアとなる。そうすればクラブを早く引くことを防止して、十分なトップを作ることができる。力を十分に溜めてから、一気に振ることができるんだ。打ち急ぎはとにかくミスのもと。注意したいところだね」
「ドライバーを持って思い切り振るのは、安定したショットを打つことを出来にくくする。あくまでもボールをコントロールするスピードで振ること。どれぐらいのスピードならばコントロールできるのかを練習で知り、コースでもそれを行うこと。それは僕だけでなく、アマチュアもぜひ行って欲しいことだね」
※アマチュアプレイヤー向けのコメントもマキロイのコーチのダノン氏が語ってくれています。詳しくは「書斎のゴルフ」Vol.25に掲載中。
RORY McILROY(ロリー・マキロイ)
1989年5月4日、北アイルランド生まれ。175cm、73kg。生後18ヶ月でプラスチック製のクラブを振り、2才で40ヤードを飛ばす。7才でハリウッドGCのメンバーとなり、9歳のときには神童と呼ばれる。’07年、18歳で全英オープン初出場、42位タイでローアマに輝く。’09年、19歳でマスターズ初出場、ドバイツアーで初優勝。’11年、22歳で全米オープンに優勝、’12年、23歳で全米プロ優勝。’14年、25歳で全英オープン、全米プロに優勝。
写真●田辺安啓